4月からソーシャルゲームに規制?

最近話題になっているソーシャルゲームのガチャ問題。
この問題に一石を投じることになるかもしれない景品表示法改正と、ソーシャルゲームの抱える問題について書いてみようと思います。



今回の法改正のキモは運営会社に対する「課徴金制度の導入」。
課徴金制度とは、違反によって得た利益を国が徴収する制度のこと。
ただし消費者に返金した分は考慮されます。


過度に大げさであったり誤解を招くような表現をしてはならないという決まり(景品表示法)は元々存在していましたが、それに対する明確な罰則は存在していませんでした。
しかし平成25年にホテルや飲食店の食品偽装問題が相次いで発覚。
それを問題視した消費者庁は平成26年に法改正(違反の厳罰化=課徴金制度の導入)を行い、それが平成28年4月の今施行されるというわけです。

最近騒がれているソシャゲ問題を受けて急遽規制されるのかと思われがちですが、実はこれ2年前から決まっていたことなんですよね。
邪推するならば、今のソシャゲ問題は「課徴金制度が施行される前の荒稼ぎ」問題とも言えるかもしれません。
実際問題、改正前の事案に対してどこまで遡って課徴金支払いを命じられるかはわかりませんが、ソーシャルゲームの場合その調査には対象企業の全面協力が不可欠であり、古い事案に対する追求は事実上不可能といえるでしょう。
もちろん刑事事件相当の詐欺行為となれば話は別ですが…。


では詐欺とは一体何なのでしょうか?
簡単に言うなら「騙す意思」を持って人を欺き利益を得ることを指します。
ここで重要なのが「騙す意思」があったかどうか。
本人が「騙すつもりは無かった」「間違えた」と主張し続ければ余程めちゃくちゃな事でもしない限り全て景品表示法違反、またはその他の軽微な罪にしか問われないのです。
非常に理不尽なことですが、現在の日本の法律ではそうなっています。

企業が自社製品を売る為により良く見えるよう多少大袈裟に宣伝するのは必要不可欠で、それによって利益を上げられるのも事実であり、
企業が利益を上げることで国が豊かになるのもまた確かなことなので、動き易い様にある程度ゆるくしておきたかったという背景もあるのかもしれません。
しかし消費者にとってはやはり理不尽でしかありません。

ある意味野放しとも言えたこの状態に歯止めをかけられるかもしれない今回の景品表示法改正は、消費者にとって一筋の光といえるかもしれませんね。


ここで気になるのはやはりお役所のフットワークの悪さ。
本来、改正から施行までの期間は国民への周知のために設けられるとされています。
今件の場合は企業への周知期間という意味合いが大きいでしょう。
しかし法改正に乗り出すほどの社会問題ならば、施行するまでその問題を国民(消費者)にテレビCM等で広く周知させる必要もあったのではないでしょうか。
知ってさえいれば、改正施行前の企業の荒稼ぎ行為かもしれないと多くの人が注意できたはずです。
結果被害も抑えられたかもしれません。

ところが実際に消費者庁が行っているのは、課徴金制度導入前の摘発増進。
罰則が緩い内に処理してしまおうということです。
大手企業、儲かっている企業というのはそれだけ多くの税を納め雇用を創出しているわけですから、国としては課徴金で潰れてもらっては困るのでしょう。
大手と言えど罰金ではなく課徴金で利益そのものをもっていかれれば傾く会社も少なくないでしょうしね。
しかし法改正に至った経緯をみるならば、この行為は残念と言わざるを得ません。


そしてその流れを知ってか知らずか、ソーシャルゲーム界は最近立て続けにガチャ問題を引き起こしているように見えます。
我々ができることは自分の身は自分で守る、自分の財布は自分で守ることだけでしょう。

ゲームで遊ぶのにそんな危機意識が必要という事は、ゲームと共に育った世代として本当に悲しく、寂しく、情けない気持ちになります。
4月以降はソーシャルゲームから具体的数値を隠した「大幅アップ」や「超絶アップ」等の表記が減ると思いますが、基本的には何も変化しないでしょう。
そもそもがソーシャルゲームの規制を目的としたものではないからです。


では問題の多いソーシャルゲーム業界には何が必要なのでしょうか。

大袈裟な表現や優良誤認対策も必要ですが、それよりももっと根本的部分の問題にメスを入れるべきだと思います。
その根本的部分とは、ゲーム内アイテムの「価値」の明確化と保証。

買っているのはガチャする権利であってアイテムではない。だからアイテムの保証は必要ない。
という屁理屈とも言える主張は最早通用してはならないものだと思います。
この屁理屈が通用し続ける限りいくらでもご破算にすることが可能であり、今後も様々な問題が発生し続けるでしょう。


しかし「価値」の保証などできるのでしょうか?

外的干渉を避けられない現実世界の商品で価値を保証することは困難であり、また容易に変化させられるものでもないため、その「機能」の保証に留まるものが殆どですが、
ゲーム内アイテムは完全な管理の下に置かれているのでそのゲーム内「価値」は保証可能です。

相対的価値を簡単に変化させられるゲーム内アイテムの「機能」を保証することは無意味と言ってしまっていいでしょう。
必要なのは絶対的相対的を含めたゲーム内「価値」そのものの保証。

ところが現状は、「調整」という名の元に簡単に「価値」が変化してしまいますし、それに対する保障義務もありません。
昨日1万円で手に入れた価値あるアイテムが、運営側の都合で相対的に弱体化し誰も欲しがらないゴミアイテムになったとしても泣き寝入りするしかないのです。
端的に言えば「やりたい放題」と言っていい状態で、こんな状態が長らく放置され続けていることはとても残念でなりません。
「価値」の明確化と保証はアイテムにお金をかけるソーシャルゲームにとって不可欠なものだと思います。
それによって業界が衰退するとしても、健全化という意味では必要なことなのではないでしょうか。
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コメント

甘夏

初コメ失礼します。
いつも楽しくブログ拝見させていただいてます。
ガチャの重課金問題について、何故サービス企業側ばっかり責められるのでしょうか?
本来、ガチャはそのゲームの本筋とは関係のないコンテンツであり、課金するしないはプレイヤーの判断に委ねられてます。
確かにゲームをプレイする上で有利にはなりますが、必須ではないはずです。
恐らくではありますが、今回の規制になったのはグラブルのアンチラですね。お正月期間中だけガチャに出現するキャラです。
公式には通常SSR確率3%、確率アップ期間中は6%(通常から2倍)となりますが、「すべてのSSRキャラの出現率アップ」なのであって、特定のキャラが当たることを保証してるものではないはずです。

私は、今回も以前からの問題も含めて「自制の効かないプレイヤーの暴走をマスコミがソシャゲ叩きに利用した」と考えています。
過剰な広告、締め付けは確かに必要かもしれません。
ですが、お金を払う、ガチャを回すのは別に強制されてるわけでもなく、課金するプレイヤー自身の意思では無いでしょうか?

繰り返しますが過剰な広告やガチャの促進を認めているわけではありません。
自制の効かないプレイヤーの自業自得の結果を何故企業側、他の楽しくプレイしている側が被らなければいけないのか、理不尽にも程があると思うのです。

イカ

はじめまして
装備や効果の調整ってガチャと相性悪いかもしれませんね・・・ゲーム内貨幣じゃなく現金がかかるわけですし・・・
ただ過度に消費者を保護しすぎるのも問題かなぁと
○○は最強にしておくべきだからって理由で装備が全く更新されずってのは面白くないし、序盤にそれとれたから、ずっとそれだけでいいってのも自分はいやですね。
11のRMEもあくまで選択肢の一つ程度にとどめておくほうがいいと思ってるほうなので。
ちなみに話題のグランブルーファンタジーを最近始めましたが、初心者と上級者が一緒になって遊べるのりこめー的なゲームで結構面白いですw
メインストーリーの他に全キャラにショートストーリーもあり、無課金でも挑めるRMEみたいなやりこみ要素もあるので、悪いゲームではないと思います。
しっかり作ってるからこそガチャにはまっちゃう人が出るのかもですが・・・
なんにせよ、クルーズさんには今すぐつぶれて欲しいけど、サイゲームスさんには頑張って欲しいと思えるくらいには楽しめてますw

りがみり

Re: 初コメ失礼します。
> 甘夏さんへ

コメントありがとうございます。
本記事はソーシャルゲーム界の問題について思うことを書かせて頂いたものであり、特定のゲームを批判する目的のものではないとご理解いただけると幸いです。
また記事内でも書かせて頂きましたが、今回の景品表示法改正施行はソーシャルゲームが原因ではありません。

グランブルーファンタジーに対しては、機会があれば触ってみたいなとも思っています。
ゲーム好きとしてはやはり面白そうなものに興味を惹かれてしまうのです。


「自制の効かないプレイヤー」確かに問題ですね。
しかしそういった方々の射幸心を煽ることで業界が賑わっているのもまた問題だと思うのです。
狙ったアイテムを取得するのに数万円、数十万円かかると本当に理解した上で課金しているプレイヤーが果たしてどれだけいるでしょうか?

景品表示法改正に至った食品偽装問題のように、規制の緩い分野には不届き者の紛れ込む隙が生まれます。
そういった不届き者達に対して電子データという新たな分野は余りにもノーガード状態。
何か大きな爆発が起こるのを、ソシャゲ業界もプレイヤー達もビクビクしながら待っているようなそんな違和感すら感じてしまうのです。

りがみり

Re: はじめまして
> イカさんへ

コメントありがとうございます。
FF11のようにサービスにお金を支払うゲームであれば、アイテム価値の保証といったものは必要ないと思います。
アイテムではなくサービスに対価を支払っているわけですしね。
そして間違いなくサービスを提供する保証として、終了の一ヶ月以上前(サービス料金が30日区切りの場合)には告知を行うという自主規定を設けているものが殆どです。

しかし、事実上のアイテム課金であるソーシャルゲームには何の保証も無いのが現状。
電子データの価値という新たな分野への対策を求められる時期にきているのではないかと。

イカ

No title
視点、見解の相違なんでしょうけどFF11のようにサービスにお金を支払うゲームと、ランダムガチャというサービスにお金を支払うゲームと何が違うのかが自分には分からないですねー。
どちらも最後には消えてしまうサービスです、残るとしたらプレイヤーの記憶やSS、取り貯めた動画くらいでしょうか?
結局は、月額MMOにしてもガチャゲーにしても求められるのはプレイヤーのモラルや自制心ですし、自分の判断で消費した時間やお金は自分が責任をとるということを認識するべきと考えます。
当たり前の事ですが、殆どの人はそのことを理解したうえで遊んでいるでしょう。
ランダムなのを理解した上で課金したなら結果にも納得するべきだと思いますし、ゲームをプレイする人間の背負うべき責任だというのが個人的な見解です。

因みにグラブルに関しては、課金しようが課金しまいがガッツリはりつくゲームだと思うので、FF11プレイヤーがはまるとやばいかもしれませんw
アニメ化も決定したようなので、始めるられるには丁度いい時期かもしれませんね~w






りがみり

Re: No title
> イカさんへ

度々のコメント恐縮です。
確かにモラルや自制心は大事ですよね。
企業側のモラル、遊ぶ側のモラル、お互いにモラルを持って行動できればどんなに素晴らしいことでしょう。
きっとコメント下さったイカさんも、モラルをもったゲームをモラルをもってプレイしておられることと思います。
しかし残念ながらモラルだけでは社会は成立しないのです。

行き過ぎた部分にブレーキを掛ける為にルールや法が定められているということは、ここで私のような者が偉そうに言うことでもないでしょう。
そして社会問題になりつつあるソーシャルゲームが行き過ぎていないとはどうしても考えにくいのです。

コンプガチャが規制の対象となったことは記憶に新しいことと思います。
技術の進歩や社会のあり方が変化すると同時に、ルールもまた変更されるべきものなのです。
景品表示法が制定されたのは昭和32年。
昭和32年の基準で、電子データの諸問題を解決するのは不可能と言っていいでしょう。
ソーシャルゲームに対して新たなルール作りをする時期はもうきているのではないかと感じています。

甘夏

大丈夫です!
特定のゲームがどうこうではないっていうのは理解してます。
ソシャゲが直接の原因ではないにしろ、規制の流れの一因になっているのは確かでしょう。
イカさんも仰ってるように、「全て納得ずくとみなされる」とおもうんです、課金してガチャを回した時点で。
また、今回マスコミによる報道の動画は「出るまでやってみた」ということのようです。
なお更いくらかかるかわからない、際限なくつぎ込むのは理解していた、という図式は成り立ちませんか?

そういった人たちの為に今回の規制があるのだとしたら、それは悲しいですね。
他人に制限をかけて貰わなきゃゲームができないなんて。


グラブルは他のソシャゲに比べるとかなり初心者に優しいと思います。
イベント毎にレアガチャが引けるチケットを配ったり、一定数貯めたらガチャが引けるアイテムももらえますし。
何よりFFっぽいし、植松さんが絡んでますし、音楽もいいし!
かわいいキャラ多いし、イケメンキャラも(以下略

はじめられたら全力でバックアップさせていただきますので、その時はお知らせください!
お友達になりましょう♪

イカ

お恥ずかしい限りです
りがみりさんの、「残念ながらモラルだけでは社会は成立しないのです。」という言葉を拝見して確かにそうだと感じました。
ゲーム会社やゲームユーザーに限らず、政治家さんや警察官の中にすらルールを破ってしまう方々がいるのに、モラルや自制心だけで片付けられる問題ではありませんでしたね。
景品表示法もしくはその他の法律でカバーできない部分が出てきた以上、やはり新しいルールは必要だと思います。

それと同時に我々ユーザーも、説明や規約をもらさず読み、自分にとってより良いゲームを選び取っていかなければならないと改めて思いました。

そして思い過ごしかもしれませんが、自分のコメントを読み返してみて、「FF11プレイヤーがはまるとやばいかもしれませんw」の部分ですが見かたによっては嫌味っぽく聞こえてしまいますね・・・ご気分を悪くされていたら申し訳ありません。
自分もFF11は現役でプレイしていますが、グラブルに関しては課金ガチャを抜きにしても、結構ガッツリ遊べてしまうぞ・・・と思ったために出てしまった言葉です。

最後になりましたが、毎回日記の更新を楽しみにしております、それこそ11のフレに、りがみりさんのとこ良いよ!ってオススメしちゃうくらいには。
どうか今後とも面白い記事を書き続けて下さい、応援しております。

りがみり

Re: 大丈夫です!
> 甘夏さんへ

再度コメントありがとうございます。
ガチャそのものが悪いわけではなく、仰るように「納得済み」で行われているものなら問題ないと思うのです。
しかし自分が狙っていたアイテムを手に入れるには、実は○万円必要だったと明かされて「納得してた」と言える人が果たしてどれだけいるでしょうか?
納得するためにももっと厳格なルールが必要だと思うのです。

例えばレアリティ毎ではなく、アイテム個々にその排出確率を表示する、そのアイテムが今後どのくらい価値を維持し続けられるのか明らかにして保証する。
こういった事が行われたとして、ガチャをする上での参考にこそなれ困ることはありませんよね?
なにもソーシャルゲームを完全に潰してしまえと言ってるわけではないのです。
もっとルールをしっかり定めて多くの人が笑顔で楽しめるものになって欲しいのです。


グランブルーファンタジーはほんとに勢いがありますね。
開発の面々を見ても非常に興味そそられます。
しかし今のところFF11で手一杯でして…、ああ、1日100時間欲しいw

りがみり

Re: お恥ずかしい限りです
> イカさんへ

こちらこそ妙に説教臭くなってしまって申し訳ありません。
きっと歳のせい・・・w
いろんな考え方があっていいと思います。
ブログは基本的に一方通行なので意見が聞けるのは非常に有り難いことだと考えています。


グランブルーファンタジーはいい意味で手を出したら危なそうですよね。いい意味でw
面白いものに潜む魔力のようなものとでも言えばいいのでしょうか。
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りがみり

人生の半分がFFXIの人です。

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